- 2024.02.01 Thursday
為替の錯覚の巻【たびえもん通信141号より】
最近、TV番組の海外ロケを見ていると「海外はすごく物価高です!」とナレーターやレポーターが伝えてくることが多いと感じます。
ひと昔前は、アジアは割安で手軽な旅行先という印象でしたが、今はそうでもありません。日本より高額になっている部分もあります。手放しで安いとはいえません。
二十年以上前、ミャンマーの山村をめぐるトレッキングをしていた時、村人に口々に言われました。「あなたは日本に生まれてラッキーだ。女性で仕事をして稼ぎ、その金を自由に使って旅行ができる。ミャンマーに生まれたらこんな人生は送れない。全然違う人生になっているだろう」
当時、世界最貧国の一つに数えられていたミャンマー。市バスの運賃が日本円に換算すると2円でした。割安のアジアの国の中でもぶっちぎりの安さに驚いたのを覚えています。そしてそれは裏返すと、ミャンマーの人たちが気軽に海外旅行に行くことがとても難しいという事なのですが、当時の私はそのことを理解はしても、そのことの悔しさや虚しさを実感することはなかったのです。
今、海外から来た人の目には日本の物価はどんな風に映っているのでしょう。レンタサイクルで未舗装の道を、土ぼこりをあげて走ったミャンマーの風景をいまでも思い出します。
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- by ごっちん