ランドセルの行き先の巻【たびえもん通信86号より】

今から10年以上前、アフガニスタンを旅しました。

ほとんど人には話さないけれど、この国で見聞きしたことは私の世界観に深く大きく影響しています。

 

印象に残っているのは、街道沿いでバラの苗木を植えていた1人の老人の姿です。

農具とは到底言えない杖みたいな棒で乾いた地面をほじくり、時間をかけて穴を掘っていました。


首都カブールから南部の都市カンダハルまでの道は、日本でいうと東京から大阪を結ぶレベルの主要幹線です。

でもその道は爆撃で舗装は吹き飛び、

クレーターのような大穴が空き、

橋桁は落ち、車は何度も大きく迂回しながらやっとのことで進んでいました。


爆弾を落とすのも人の仕業ならば、バラを植えるのも人の仕業。

そして、暴力は一瞬で全てを破壊するのに、平和を築くのは少しずつしか進まず、途方もない時間がかかります…。

 

ところで、中学生になった長男のランドセルは、アフガニスタンに送る事にしました。

この鞄が小さな人にとって強力な魔法の杖となりますように。

 

根気強く学び、美しい国を作っていってくれますように。

 

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